Annearth

世界のプラスチック事情

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人類は自然にある様々なものを駆使して

 

いろんな道具を生み出してきました。

 

そんな自然から作り出すことに変化が訪れたのは

 

19世紀に入ってから。

 

19世紀にプラスチックの開発が始まり、

 

20世紀には一気に浸透します。

 

プラスチックは、どんな形にもでき、

 

軽く・割れにくく・破れなくて低価格

 

というたくさんのメリットがありますが、

 

天然素材と違って自然に還らないという

 

大きな問題点があるものなのです。

 

今では自然由来の天然素材のものより

 

プラスチック製のもので溢れ、

 

そのほとんどが買って数分でゴミになっています。

 

使い捨ての社会にいつしかなっていってしまっているのです。

 

最近、CMで流れたり、大企業が環境問題に

 

取り組んでいるところも目に見えて増えていて

 

情報が皆さんの耳に入る機会も増えていると思います。

 

今回はまだ入り口のところまでですが

 

そんなプラスチックについて見ていこうと思います。

 

 

月まで6.5往復できるプラごみ

 

これまで具体的な数字がつかめなかった

 

世界のプラスチックの生産量とその行方が

 

2017年のアメリカの研究者チームが発表した

 

ひとつの調査報告で明らかになり、

 

世界に衝撃が走りました。

 

現在私たちの生活に溢れかえっているプラスチックですが、

 

本格的に生産されるようになったのは

 

1950年頃からなのです。

 

調査によれば、1950年には年間200万トンだった

 

世界のプラスチック生産量は、どんどん増えて

 

2015年には4億7000万トンにまでなっています。

 

このままのペースで増え続けると、

 

2050年には16億トンにもなるのではないかとの

 

予測もあります。

 

また、プラスチック生産量が増えていると同時に

 

廃棄されるプラスチックの量も増え続けていて

 

2015年には3億200万トンが廃棄処分されています。

 

研究者チームは、1950年から2015年までの66年間で

 

生産されたプラスティック生産量は、

 

トータルで83億トンと算出しました。

 

そのうちの63億トンがゴミとして

 

処分されたと指摘しています。

 

そして、処分されたプラスチックゴミのうち

 

リサイクルされたものはわずか9%(約5.7億トン)

 

12%(約7.5億トン)は焼却79%(約49.8億トン)は

 

埋め立て処分もしくは投棄されたという調査があります。

 

この埋め立てされたもしくは投棄された量は

 

5トンのゴミ収集車で約10億台分になり、

 

それをつなげると月まで6.5回以上往復できる量なのです。

 

プラスチックはいろんな用途に使われていますが、

 

鉄のように長期間使われるのではなく、

 

半数が4年以下で捨てられてしまいます。

 

そして、プラスチックの普及によってライフスタイルも変化して、

 

使い捨て製品が激増した事が、

 

プラスチックの生産量と廃棄量を引き上げることにもなりました。

 

このままのペースで行くと2050年までには

 

120億トンのプラスチックゴミが、埋め立て・投棄

 

という形で自然環境の中に放置される状態になると

 

報告もあり、警報がなり続けています。

 

人工的に作り出されたプラスチックは、

 

天然素材と違って自然に還らないので、

 

自然環境に及ぼす影響は明らかです。

 

 

海にいるのは魚ではなくプラスチック!?

 

2019年6月、日本で開催された主要20か国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で

 

海洋プラスチックごみ問題が討議され、

 

2050年までに新たなプラスチックごみ流出ゼロを

 

目指す事が表明されました。

 

プラスチックごみに世界の関心が集まるようになったのは

 

ここ数年のことです。

 

プラスチック製の魚網に絡まってもがき苦しむウミガメ、

 

胃の中から大量のポリ袋が発見されたクジラ、

 

ボトルキャップをエサと間違えてひなに与える海鳥・・・

 

など、衝撃を与える事例が生々しい写真や映像とともに

 

次々と報告され、知らなかった海の現実を

 

知れることになりました。

 

これまでも、海岸に大量のプラスチックごみが流れ着いた

 

などのニュースが流れてプラスチックごみの

 

実情について知ったつもりになっていましたが、

 

それは氷山の一角に過ぎなかったのです。

 

むしろ、海岸に流れ着くことなく、

 

海流にのって漂い続けるプラスチックごみのほうが

 

はるかに多いのです。

 

しかも、時間の経過や、海流などの働きによって劣化し、

 

マイクロプラスチックと呼ばれる

 

ほんとに小さな粒になり、海洋生物に

 

影響を与える事がわかってきました。

 

こうしたプラスチックごみは、

 

北極から南極まであらゆる海域で発見されています。

 

なかでも、アメリカ・カリフォルニア州とハワイに

 

挟まれた一帯は渦を巻く海流によって大量のごみが集まり、

 

太平洋ごみベルト」とも呼ばれています。

 

日本海もその影響を受けています。

 

海洋ごみの大半は、適切に処分されなかったプラスチックごみが

 

陸から海へと流れ出たものです。

 

そのうち、約8割が河川などを通じて

 

アジアの国々から流れ出ているとされていて、

 

早急な対応が求められています。

 

すでに1億5000万トン

 

プラスチックそみが海にあるとされており、

 

全世界で新たに海に流れ出るプラスチックごみは、

 

推定年間800万トンと言われています。

 

このままいくと、2050年には

 

プラスチックの量が魚の量を上回る

 

とさえ言われています。

 

G20が採択した「2050年までに」

 

という目標設定では遅すぎる、

 

との声もあり、当然のことと言えますね!

 

 

(参考文献:インフォビジュアル研究所著・「14歳からのプラスチックと環境問題」)

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