Annearth

プラスチック処理と環境

LINEで送る
Pocket

 

近年、世界が注力している

 

プラスチックと環境問題について

 

みていこうと思います。

 

毎日、たくさんのプラスチックが生産され、

 

それと同時にたくさんのプラスチックごみが

 

生まれています。

 

その処理方法や取り組みについては

 

まだまだ問題が山積みです。

 

 

 

プラスチックは埋める?焼却する?

 

環境問題が初めて世界的になったのは、

 

1972年のストックホルム会議(国連人間環境会議)

 

でのことです。

 

急速に成長した工業化によって

 

自然破壊や公害を引き起こし、

 

それとともにプラスチックごみへの

 

関心と危機感が高まりました。

 

その当時、プラスチックごみは

 

分別などはなく他のごみと一緒に

 

埋め立てか焼却処分されていました。

 

プラスチックごみは

 

埋め立てても土には戻りませんし、

 

当時のごみ焼却炉では、

 

プラスチックを燃やすと

 

高温になり焼却炉を傷めたり、

 

大気汚染の原因にもなる

 

煤塵を排出したりする

 

問題が起こりました。

 

さらに、事件が起きます。

 

1976年、イタリア北部セベソの農薬工場で

 

爆発事故が起こりました。

 

今では皆さん知っている

 

有害なダイオキシン類が

 

その爆発事故によって飛び散ってしまい、

 

住民の健康被害や

 

家畜の大量死を招いてしまいました。

 

このダイオキシン類がその後、

 

オランダや日本など各国のごみ焼却炉から検出され

 

大問題となり、皆さんも知ることとなったのです。

 

一時期は、プラスチックを燃やすと

 

ダイオキシンが発生するとも言われましたが、

 

この説は否定もされています。

 

ダイオキシン類は、

 

炭素・水素・酸素・塩素

 

が燃焼する過程で発生しますが、

 

プラスチックは主に炭素と水素からできているので、

 

焼却時に発生するのは

 

二酸化炭素と水です。

 

ダイオキシン発生につながるのは

 

塩素を含むものです。

 

例えば、ポリ塩化ビニルや

 

ラップの原料でもある

 

ポリ塩化ビニリデンがあります。

 

実際の焼却炉には

 

塩素も含んだ多種多様な

 

ごみが混在しています。

 

食塩や醤油が混じった生ごみでさえ、

 

ダイオキシンの発生源になり得るのです。

 

そのため、最新の焼却炉には

 

二重三重にもダイオキシン対策がされていて

 

発生量が大幅に削減されるようになりました。

 

プラスチックのリサイクルがされるようになったのは

 

1990年代以降のことですが、

 

ごみは年々ますます増え続けています。

 

そして、プラスチックごみが再生可能な

 

資源でもあるとして、

 

国境を越えて各国間で

 

取引されるようになって、

 

また新たな問題が起こることになったのです。

 

 

 

 

リサイクルではなく環境汚染!?

 

プラスチックごみの輸出入の実態について

 

2018年からプラごみ輸入禁止をしましたが、

 

それまでプラごみ輸入大国であった中国を

 

中心にみていきます。

 

中国は改革開放政策のもと、

 

1980年代から工業化を推進してきました。

 

それに伴い、プラスチックの需要も

 

高まりますが、自国で作るためには

 

施設の建設などから始めなくてはならず、

 

それよりもプラスチックごみを

 

再生した方が効率がいいため、

 

中国はプラスチックごみを資源として

 

欧米や日本から輸入を始めました。

 

そして、再生加工した製品を輸出してきました。

 

プラスチックごみを輸入する中国だけでなく、

 

それを輸出する国にもメリットがありました。

 

自国でリサイクルするとなると、

 

設備費や人件費など多額な費用がかかるものを

 

高く買い取ってくれる中国に輸出することが

 

できたのです。

 

1990年代から2000年代にかけて、

 

タイ・ベトナム・インドネシアなど

 

経済力をつけたアジア諸国でも、

 

プラスチックごみの需要が高まりました。

 

これによって、プラスチックごみは

 

国境を越えてリサイクル取引が

 

されるようになりました。

 

しかし、輸入されたプラスチックごみの中には

 

汚れているもの、分別されていないもの、

 

有害物が混入したものなど、

 

そのままではリサイクルできなものも

 

含まれていることがありました。

 

それを手作業で分別するのは

 

低賃金で雇われた現地の人々や

 

親の手伝いをする子どもたちだったりするです。

 

そのため、各国から大量にくる

 

プラスチックを全部は処理できません。

 

処理できないごみの山は放置され、

 

そのまま焼かれて有害物質が発生したり、

 

ごみが川などに流れて、

 

環境汚染につながったりなどと

 

深刻な状況が何年も続いていました。

 

ごみを輸出している国は

 

リサイクルしていたつもりでしたが、

 

実情は輸入国に環境汚染を

 

もたらしてもいたのです。

 

この環境汚染を食い止めるためにも

 

中国はプラスチックごみ輸入を禁止したのです。

 

しかし、急速な発展をした中国は

 

今ではプラスチックの生産・消費も

 

世界的にみても大きくなり、

 

国内での大量のプラスチックごみの

 

対策という問題に直面しています。

 

 

 

行き場を失っていくプラスチックごみ

 

中国がプラスチックごみ輸入禁止した2018年、

 

全世界のプラスチックごみの輸出量は半減しましたが、

 

残りは東南アジアなどに流されることになりました。

 

それによって、プラスチックごみが

 

急激に増えた国々は、

 

次から次に規制を表明しました。

 

2019年10月においては、

 

マレーシアは実質的に輸入禁止、

 

タイは2021年から全面禁止、

 

インドネシア・インドも

 

輸入禁止を表明しています。

 

これまでも輸入を制限していた国も

 

さらに規制を強化しています。

 

「アジアはゴミ捨て場ではない」

 

という意志の現れから、

 

この素早い対応につながっていると

 

言えると思います。

 

インドネシアでは、

 

1990年からすでに

 

プラスチックごみのコンテナが

 

港に置き去りにされる事件や

 

不正ごみの輸入が問題にもなっていました。

 

中国禁輸後の2019年6月にも

 

アメリカから輸入したコンテナに、

 

再生できない食べ残し入りプラスチック容器や

 

使用済みおむつが入っていたことが発覚し、

 

送り返すということが起こっています。

 

フィリピンでも、

 

2014年にカナダから再生資源と偽って、

 

大量の家庭ごみが送りつけられ、

 

以来5年経ってもカナダは

 

引き取りに応じなかったことも

 

起きています。

 

2019年2月にも、

 

韓国からフィリピンに不法輸出された

 

6300トンのうち、

 

一部が送り返されましたが、

 

輸出した業者は雲隠れするという事件も起きました。

 

たて続けに起きる人為的なごみの問題に、

 

環境問題とともに、

 

ごみ輸出業者の倫理観の欠如も

 

問題視されています。

 

また、中国禁輸後は

 

密輸や不正輸入も起こっています。

 

2018年5月には、

 

中国で輸入できなくなったプラスチックごみを

 

中国系業者がタイに密輸して、摘発されています。

 

この他、中国禁輸によって

 

プラスチックごみ輸入が最も増えたマレーシアでは

 

リサイクルに関わる多くの工場が

 

環境規制を順守しないまま操業を開始して、

 

こういった違法工場が

 

密集する地域では、

 

水質汚染が深刻化しています。

 

このような事態を受けて、

 

2019年5月には

 

有害廃棄物の越境を取り締まる

 

国際条約「バーゼル条約」が改正され、

 

2021年から汚れたプラスチックごみ

 

を新たな規制対象とすることが決定しました。

 

これによって、輸入国の許可がない限り、

 

汚れたプラスチックごみは

 

輸出できなくなりました。

 

今まで、プラスチックごみのリサイクルや処分を

 

輸出に頼っていた国々は

 

早急な転換が求められるようになっています。

 

 

 

 

 

アジア・アフリカの素早い規制のワケ

 

プラスチック製品の中でも

 

特にレジ袋を規制する国が増えています。

 

レジ袋の規制が進む国は

 

プラスチックの生産・消費が

 

多い国ばかりではありません。

 

アジア・アフリカなどの発展途上国と

 

言われている国でも、

 

次から次へと規制をしています。

 

その理由は、切実で深刻な

 

プラスチック汚染にさらされているからです。

 

そもそも、これらの国では

 

ごみ処理の設備が十分ではなく、

 

多くが空き地や谷に投げ捨てるだけの

 

オープンダンプ方式です。

 

ごみの山から、再利用できるものを拾って

 

生計を立てている人も

 

少なからずいます。

 

このごみの山には

 

家畜なども集まり、

 

プラスチックごみを食べてしまいます。

 

モンゴルでは、1990年代から

 

遊牧民の間でもプラスチック製品が使われるようになり、

 

草原にごみが散乱することになりました。

 

そして、羊や牛が間違えて食べて、

 

衰弱死することが頻繁に報告されていました。

 

またさらに、ごみを食べた家畜の

 

肉や乳を摂取した人体などにも

 

影響が及ぶことが懸念されて、

 

薄手のレジ袋が使用禁止されることになりました。

 

インドでは、

 

ヒンドゥー教で聖なる存在とされる牛が

 

プラスチックごみを食べて死亡するのを

 

防ぐためということもあり、

 

一部のレジ袋の使用が規制されています。

 

バングラデシュでは、

 

過去に大量のレジ袋が

 

排水溝に詰まり、

 

大洪水の原因の一つとなったこともあり、

 

2002年にレジ袋が規制されています。

 

現在、最も規制が厳しいのは、アフリカです。

 

アフリカ54か国のうち、

 

レジ袋規制を導入している国は約30か国です。

 

2000年以降、

 

アフリカ諸国の経済成長はすごく、

 

都市で働く人が増えて、

 

それまでの自給自足の生活から

 

買って消費する生活へと変わりました。

 

それによって、

 

ごみ処理環境が整っていなかったこともあり、

 

処理能力を超えるごみが山積みされることになり、

 

そのごみの山が崩落して

 

死亡者が出るという事件も起きています。

 

世界一厳しいとされている

 

ケニアのレジ袋禁止令は

 

このような深刻化するごみ問題を背景に

 

2017年に施行されました。

 

処理場の設備や、分別徹底には

 

コストも時間もかかってしまいます。

 

そのため、ごみのもとを作らない、

 

売らない、使わない社会を作る方が早い

 

という判断でした。

 

プラスチック規制を強化する

 

アジア・アフリカの国々では

 

規制強化と同時に

 

国際的な支援を受けて

 

ごみ処理場を整備する計画も進められています。

 

(参考文献:インフォビジュアル研究所著・「14歳からのプラスチックと環境問題」)

 

 

 

ごみとの向き合い方をもう一度考えてみる

 

日本でも各地域・各自治体などで

 

ごみの分別などが決められています。

 

しかし、個人的には

 

分別ルールを守っていれば

 

安心というわけにはいかないような

 

気がしています。

 

日々、新しい商品が開発され

 

販売されています。

 

どれも魅力的に見えて

 

今まで使っていたものよりも

 

便利だからとか、

 

飽きたという理由で

 

買い換える人もいると思います。

 

買って消費する社会なので、

 

当然のことと言えます。

 

私も、新しいものが好きで

 

すぐ試してみたくなります!笑

 

しかし、買えばそれだけ

 

ごみが増えるということなんですよね。

 

そして、国は

 

ごみは適切処分できているというでしょう。

 

しかし、ごみの国外輸出によって

 

すべてがリサイクルできているわけでもなく、

 

環境汚染にもつながっていること面もあり、

 

見ないフリはできません。

 

国内でもことも同じような

 

ことが起きている可能性もあります。

 

根本的なごみというものを

 

減らして、ごみを生み出さない意識も

 

必要だと思うようになりました。

 

それを意識できるようになってからは、

 

買う時の意識も変わってきました。

 

まず、とりあえず買っておこうという

 

ことがなくなりました。

 

そのことで、自分が1か月で出す

 

ごみの量が半分ほどに減りました。

 

自分でも、こんなにそこまで必要でない

 

買い物をしていたんだと驚きました。

 

また、買う際にも、

 

環境などを意識して作られている製品か?

 

などの製品の背景や企業の意図なども考えるようになり、

 

共感できる製品や企業のものを

 

買うようになってきています。

 

そして、捨てる前にも

 

これで代用できるものはないか・・・

 

などと一旦考えるようにもなり、

 

試行錯誤するようにもなりました。

 

もともと色々と試してみるのは好きなので

 

楽しみながら、

 

ごみの削減ができていると

 

思っています。

 

ごみを生み出さないという

 

感覚も持って、モノや自分と向き合って

 

みるのもありではないでしょうか。

 

できることは、たくさんあります。

 

答えも一つではないと思います。

 

無理やりやっても長続きしません。

 

こういったことは、

 

どんなに小さなことだと思うようなことでも

 

続けていくことが大切になってくると思うので、

 

まずは自分にそんなに無理のない程度から

 

友達や家族などと楽しみながら

 

できることを見つけて、

 

継続して続けてみては

 

いかがでしょうか。

 

そうすれば、感覚も変わってきて、

 

どんどんやること・やれることが

 

増えて変わってきます。

 

そんな自分や周りの変化を「楽しむ

 

感覚で、今世界的に動いている

 

プラスチックごみをはじめとする

 

環境問題にぜひ取り組んでみてください!!!

 

コメントは受け付けていません。

LINEで送る
Pocket

関連記事RELATED ARTICLE

SHARE
PAGE TOP