オーガニックコットンのこと
目次
天然素材は安心!?
天然繊維は化学繊維よりも
体にやさしいですが、
天然繊維ならなんでも
良いというわけでもないようです。
コットン製品には、
外国で農薬や化学肥料を使って
栽培された綿花が
使用されていることが多いのです。
機械で綿花を収穫すると、
葉や茎をすべて絡みとるので、
枯葉剤を使用して綿花を
完全に枯らしてしまいます。
綿は11月には自然に枯れます。
しかし、ファッション業界の
商業サイクルに合わせるために
8~9月に刈り取る必要があるので、
枯葉剤を使っているのです。
そして、素材に農薬が
使われているだけでなく、
衣類の製造にも、
化学物質が使われています。
合成潤滑剤や合成ワックスは
布を織りやすくします。
漂白剤や化学染料、蛍光剤、
漂白や染色の前処理で使うアルカリ剤、
糸の保護に合成糊料、
それを洗い流す合成洗剤、
シリコンオイルなどの柔軟剤、
などのように、一部だけでも
これだけたくさんの
化学薬剤が使われています。
形状記憶のシャツには
ホルマリンが使われているものもあります。
このような化学物質が皮膚から吸収され、
痒みや様々な病気の原因となります。
衣類に含まれる化学物質が
アトピー性皮膚炎の要因の
一つともみられています。
また、素材の綿の収穫に使われる
枯葉剤は、環境を汚染し、
栽培者自身や近所の住民の健康被害にも
つながっています。
特に、子どもへの被害は深刻で、
多くの綿農家の人たちが、
農薬で健康を害している現実があります。
しかし、農薬を使わなければ
生産力が落ちて、
収入が落ち、生活に影響するので、
枯葉剤の使用をやめられないという
側面もあります。
農薬を使わないオーガニックコットンの
価格が高いのは、
人の手で行う作業の多さもあります。
枯葉剤を使って機械で
収穫するものと違って、
オーガニック栽培では
すべて手作業で綿花は収穫されます。
安く売られている製品の裏側では
何かがその分、犠牲になっている
こともあります。
オーガニックコットンのメリット
3年以上農薬や化学肥料を使わずに
栽培された綿がオーガニックコットンです。
自然に枯れるのを持って、
手摘みで収穫されるので、
時間と手間をかけて
丁寧に作られています。
無農薬で育てられ、
化学物質が使用されていない
オーガニックコットンは
柔らかく肌に優しく、洗濯するごとに
柔らかくなるのも特徴です。
丁寧に作られたものは、
長く使えるので、
買う時の価格が高くても
長い目で見ると買い換える頻度が
少なくて済むので、
経済的だとも言えると思います。
多少高くても、
自分と環境に良いものを長く、
大切に使うことを
オーガニックライフでは
重要視しています。
オーガニックコットンを
使う人が増えることが、
綿農家の人たちの労働環境を
改善することにもつながっていきます。
消費者の行動が
生産者の人たちにとっても
環境にとっても
重要になってくると思います。
オーガニックコットンの選び方
子供の皮膚はデリケートです。
特に新生児の肌着は
栽培から加工の段階でも
化学処理されていない
オーガニックコットンのものを
選んだ方がいいと思います。
体温が高く、よく動く赤ちゃんは
たくさん汗もかくので、
汗で衣類に含まれる化学物質が
溶け出す可能性もあるからです。
近年増え続けている
アトピー性皮膚炎の子どもにも
オーガニックコットンは
安心して使えます。
オーガニックコットンは
無漂白の生成りのコットンと
見分けがつきにくいので、
類似商品も存在します。
オーガニックコットンと
表示されていても、
一般綿が混ざっていることもあります。
一般綿が混ざっていても、
その比率を分析できません。
そこで、オーガニック認証マークが
見分ける手がかりとなります。
オーガニックコットンは綿花栽培の段階での
オーガニックファーム認証と、
製品の製造工程における
テキスタイル認証の
2つの家庭に分けられ、
認証が行われます。
綿花栽培段階の認証基準は
ヨーロッパ基準である
「ECC規制2092/91」と
米国農務省の基準である
「USDA/NOP (米国農務省/自然有機プログラム)」
が国際基準とされています。
製品の製造工程の認証は
認証機関によって違いますが、
一般的には書類審査で行われます。
人は皮膚からもたくさんのものを吸収していますし、
経皮毒のこともあるので、
身に着けるものは、
オーガニックコットンや、
化学繊維とかではない
安心できる素材のものを
選ぶことが、重要になってきます。
いろいろある素材
オーガニックコットンもそうですが、
衣料品でもいろんな素材があります。
麻(リネン)や竹(レーヨン)など
ありますよね。
麻には癒しの効果が
あると言われていますし、
竹は抗菌に優れている
とも言われています。
素材によってそれぞれ特徴もあるので、
ケースに応じた素材のものを
選んで身に付けるのも
いいのではないでしょうか。
様々言われるファッション業界ですが、
環境に配慮した製品なども
今では増えてきています。
製品の性能もそうですが、
その企業の理念にも
共感できるようなものを
選んでみることもいいと思います。
思いやりのあるものを
選び、身につけていきたいですね。
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