Annearth

これからのリサイクル

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3Rから4Rへ

 

1990年代から始まった

 

リサイクルの取り組みは、

 

一定の成果はあげているものの、

 

まだ、プラスチックごみの

 

根本的な解決にはなっていません。

 

国連が示したSDGsでも、

 

廃棄物の発生防止と

 

削減に重きが置かれているように、

 

いま最も早急に進めなければならないのは、

 

プラスチックごみをできるだけ

 

出さないようにするということは

 

誰にもわかるでしょう。

 

プラスチックに限らず、

 

ごみ問題の対策として、

 

Reduce(リデュース)、

 

Reuse(リユース)、

 

Recycle(リサイクル)

 

の頭文字をとって

 

「3R運動」が進められていました。

 

現在は、これに

 

Refuse(リフューズ)

 

が加わった「4R運動」が

 

推進されているのが、

 

世界的な傾向です。

 

この4R次のような優先順位があります。

 

 

 

*リフューズ (断る、使わない)

 

ごみの発生源になるようなものを

 

買ったり、もらったりしない、

 

 

*リデュース (減らす)

 

ごみの発生源になるものを削減する

 

 

*リユース (再利用)

 

同じ用途で使えるものは繰り返し使う。

 

 

*リサイクル (再生利用)

 

再生可能なものはリサイクルする。

 

 

ごみの対策には、

 

ごみのもとになるものを使わない、

 

使う量を減らすことが重要で、

 

リサイクルは最終手段なのです。

 

しかし、日本の自治体の

 

ごみ処理の優先順位が、

 

リサイクル→焼却→埋め立て

 

となっているためか、

 

私たちはごみを分別するのが

 

義務のように感じています。

 

リサイクルが環境に配慮した

 

暮らしだと言われ始めたのは

 

1990年代であり、

 

そのころと現在では

 

状況が変わっています。

 

プラスチック製の

 

使い捨て容器包装が一気に増えたのは

 

2000年以降のことなのです。

 

現在、何かを買うと、

 

必ずと言っていいほど

 

プラスチック包装がついてくるようになっているので、

 

リサイクルは最終手段だと

 

再認識することが必要です。

 

また、使い捨てを前提とした

 

プラスチック製品は、

 

リユースには向いていません。

 

しかし、ここまで浸透している

 

プラスチックを使わない生活を送るのは

 

現実的ではありません。

 

そうなると、いま私たちにできることは

 

まず、プラスチックの使用量を減らすことでしょう。

 

 

 

バイオプラスチックは救世主になるか!?

 

プラスチックの最大の問題点は

 

生分解(微生物による分解)が

 

されないことがあります。

 

この問題を解決するために

 

1970年代から、

 

より環境への負荷が少ない

 

バイオプラスチックの開発が

 

進められてきました。

 

よく知られているのは、

 

トウモロコシを原料とする

 

ポリ乳酸から作られる

 

バイオプラスチックです。

 

原料が植物なので、

 

微生物によって分解され、

 

最終的には二酸化炭素と水に還ります。

 

自然界で完全に分解されるプラスチックは

 

生分解性プラスチックと呼ばれ、

 

天然由来のほか石油由来のものもあります。

 

生分解性プラスチックは、

 

プラスチックごみ問題の

 

解決策の一つとして期待されています。

 

しかし、普通のプラスチックよりも

 

製品コストがかかります。

 

また、生分解されるということは

 

長持ちはしないということなので、

 

耐久財には向きません。

 

そして、環境によって、

 

生息する微生物の種類や数が違うので、

 

生分解の速度も違ってきます。

 

ポリ乳酸を例にすると、

 

ポリ乳酸は、高温多湿の環境では

 

分解されやすくても、

 

土や水の中では

 

分解されにくいことがわかっています。

 

バイオプラスチックのうち、

 

バイオマス(再生可能な天然由来の材料)

 

を使ったものは、

 

「バイオマスプラスチック」

 

と呼ばれています。

 

ここで注意したいのは、

 

バイオプラスチックには

 

石油由来の原料を

 

限定的に使っているものもあれば、

 

生分解性をもたないものも

 

あるということです。

 

さらに、バイオプラスチックを

 

製品化するときには、

 

性能を高めるために、

 

普通のプラスチックや

 

添加剤と混合することが多いため、

 

自然環境の中で完全に分解されず、

 

一部残ってしまうことがあります。

 

それでも、100%石油由来のものにしたら、

 

石油の使用量が減り、

 

燃やしたときに発生する

 

二酸化炭素量も、

 

プラスチックごみの量も減ります。

 

そのため、バイオプラスチックの製品開発が

 

現在盛んに進められています。

 

生分解性あるなしに関わらず、

 

バイオプラスチックを普及させるためには、

 

普通のプラスチックとは分別して回収し、

 

リサイクルするシステムを

 

整える必要があります。

 

また、バイオプラスチックは

 

主に農業資材や使い捨ての食器容器、

 

ペットボトル、レジ袋、

 

ティーバッグなどに

 

使われていますが、

 

バイオ素材なら捨ててもいい、

 

という考え方を助長してしまうことも

 

問題視されていますが、

 

使うなら、最低限バイオプラスチックを

 

選びたいものです。

 

 

 

 

ゼロ・ウェイスト運動

 

いま、世界では

 

「捨てる社会から捨てない社会へ」

 

と動きをみせています。

 

ごみをなるべく出さないように暮らす

 

「ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)」

 

の取り組みが世界各地で始まっています。

 

ゼロ・ウェイストは、

 

焼却や埋め立てに頼らず、

 

再利用や資源化によって

 

ごみをなくす政策として、

 

イギリスの産業経済学者マレーが

 

最初に提唱したものです。

 

1996年に、オーストラリアの首都キャンベラが、

 

世界で初めてゼロ・ウェイストを

 

宣言したのに続き、

 

ニュージーランドの半数以上の都市、

 

アメリカ、カナダ、ヨーロッパなどの

 

都市に拡大していきました。

 

日本では、徳島県上勝町が

 

2003年にゼロ・ウェイストを

 

宣言しました。

 

生ごみの堆肥化、45種類の分別など、

 

地域ぐるみの取り組みによって、

 

2016年には約81%の

 

リサイクル率を達成しています。

 

アメリカのゼロ・ウェイスト都市

 

サンフランシスコも、

 

ごみの約80%を資源化などに転換し、

 

埋め立てごみを減らすことに

 

成功しています。

 

この数字は全米で一番高い数値ですが、

 

「2020年までにごみゼロ達成」

 

という目標は修正を迫られています。

 

あらゆるごみが資源化できるわけではないので、

 

完全にゼロにするのは難しく、

 

自治体だけでなく、

 

製造業者も含めた

 

社会全体の取り組みが

 

必要になってきます。

 

自治体の政策として広まった

 

ゼロ・ウェイストですが、

 

個人レベルでの実践として

 

注目されるようになったのは

 

一人の女性が綴ったブログ

 

「ゼロ・ウェイスト・ホーム」

 

がきっかけでした。

 

サンフランシスコ郊外に住む

 

ベア・ジョンソンが、

 

一家四人のごみを

 

年間わずか1リットルにまで

 

減らした実践例を紹介したものです。

 

これが、2013年に書籍化され、

 

各国で翻訳されると、

 

欧米でゼロ・ウェイスト生活への

 

関心が高まりました。

 

ごみの中で最も厄介だとされている

 

プラスチックを使わない

 

生活を実践する人も増えてきました。

 

(参考文献:インフォビジュアル研究所著・「14歳からのプラスチックと環境問題」)

 

 

新たな生活へ

 

少し前までは、

 

分別して、リサイクルするというのが

 

スタンダードでしたが、

 

今ではもう変わってきています。

 

今までのプラスチックが

 

一部バイオプラスチックに

 

変わってきてもいますし、

 

そもそもごみを出さない

 

という動きにもなってきています。

 

完全にごみを出さない

 

というのは、

 

現代社会では、

 

不可能に近いので、

 

できるだけごみの量を

 

減らすことが重要になってきます。

 

また、買ったり使ったりする

 

プラスチックを

 

バイオプラスチックのものを

 

選ぶようにするなど、

 

消費者一人一人の

 

「意識」と「行動」も

 

求められるようになってきています。

 

プラスチックを製造する企業も

 

素材や製品開発を日々進めています。

 

どの企業がどのような取り組みを

 

しているかなどを

 

しっかりと見て、知り、

 

できるだけ自国の企業の製品を

 

買うようにしていきたいものです。

 

これから、さらにいろんな開発が

 

進んでいくと思います。

 

それと同時に、

 

私たち消費者は、

 

ごみを極力出さない工夫を

 

それぞれで取り組んで

 

いく必要があります。

 

今まで慣れ親しんできた生活を

 

今一度見直して、

 

新たなことにチャレンジしながら

 

楽しく生活を送っていくことができたら、

 

またその先に

 

新たな素敵な世界が待っています。

 

思いやりの和を広げていきましょう!

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